ロンドンが依然として金融都市のトップに 金融機関の移転先候補とその決定要因とは?

 

 

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 シンクタンクの「Z/Yen」が今年も世界92の金融都市のランキング「Global Financial Centres Index (GFCI) 」を公表した。

 

これによると、EU離脱により金融機関にとっての魅力が失われるにもかかわらず、ロンドンが今年もNo.1に選ばれている。

 

一方ニューヨーク(ランキング2位)のレイティングは24ポイント下落し、トップ15では最大の下落幅を示した。

 

イギリスのEU離脱後はニューヨークが金融都市として最大になると見られているものの、ドナルド・トランプ大統領の自由貿易政策などが不安視されていることが下落の要因であると見られている。

 

これに対しロンドンのレイティングは、今年はわずか2ポイントの下落でとどまっており、トップ10の中で最小の下落幅である。

 

フランクフルトは昨年の23位から11位に上昇した一方、ダブリンは33位から30位になった。

 

EU離脱により金融機関の多くがロンドンから離れていくと見られているなか、フランクフルトもダブリンもEU内の金融中心地を目指して誘致合戦を繰り広げている最中である。

 

 

移転先の決定に影響する意外な要因とは? 

金融機関が移転する先は、必ずしもビジネス要因だけで決まるものではないようだ。

 

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドRBS)のハワード・デイヴィス会長によると、移転先の教育システムも重要な判断材料になるという。

 

子供たちが編入できる学校が現地にあるかどうかということが、移転先に移り住む予定の従業員家族にとって大きな問題になるからだ。

 

「スタッフを移動させるにあたっての最重要事項は現地の学校です。いま私たちの人事部が抱えている最大の問題は、フランクフルト現地にあるインターナショナル・スクールの生徒収容人数なのです」。

 

デイヴィス会長は、子供たちをイギリスに残したまま単身赴任をしてもらうことも考えている。

 

ドイツ銀行のジョン・クライアンCEOは、もしイギリスからフランクフルトに数多くの金融機関が移転するのであれば、やはり現地の学校が重要なイシューになると述べた。

 

クライアンCEOは、ロンドンで行われてきた金融業務を行うために必要なインフラが整っているのはEU内ではフランクフルトだ、とすでに述べている。

 

しかし、どれくらいの金融機関を受け入れるかはフランクフルト次第であり、そこで現地の学校の問題も指摘している。

 

「フランクフルトはもっと魅力的にならなくてはいけない。都市型の住宅地域に十分なインターナショナル・スクール、数々の劇場や数百を超えるレストランなどが必要だ」。

 

フランクフルトにあるINGのチーフ・エコノミストCarsten Brzeski氏も、やはりインターナショナル・スクールの準備が必要であると述べている。

 

RBSのデイヴィス会長は貿易協定や移行期間を含まない離脱、いわゆる「ハード・ブレグジット」が行われた場合を想定した緊急プランが必要だと述べている。

 

 

すでに移転先を決定している金融機関は?

すでに多くの金融機関が各社の「離脱計画」を発表している。

 

バンク・オブ・アメリカはその業務の一部の移転先をダブリンに決定。

JPモルガン・チェースは、すでにダブリンの港地域に1,000人の従業員を収容できる新しい社屋を購入しているという。

 

モルガン・スタンレーはフランクフルトを移転先に指定しており、200名の従業員を移すという。

またシティグループもフランクフルトで業務を拡大していくとしている。

 

 

 

www.theguardian.com