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イギリス貴族院「EUへの支払いは不要」 イギリスのEU職員たちの年金に影響か?

EU離脱交渉

 

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イギリスはEUから脱退するにあたりまったくお金を支払う義務を負っていない、と貴族院がコメントを発表した。

 

これは今後進められるEU離脱交渉において何らかの懸案事項となりそうだ。

 

貴族院のEU財務委員会が行った調査によると、英国政府はEUに対して600億ユーロの支払いをする必要もないし、前首相デヴィッド・キャメロンによって提出されたEU予算の負担分を補償する義務も負っていない、という結論となった。

 

しかし同時に、EU諸国と善良な関係を続けヨーロッパ市場へのアクセスを維持するのであれば、EU予算への合意は重要になるだろうと付け加えている。

 

「イギリスがEU予算への支払いをしなければいけないという法的な義務は何もない。しかし予算の負担については、EU離脱交渉において重要な課題となるだろう。交渉で良い成果を得るためには、予算負担のためのコストを見積もっておく必要がある」

 

一方、EU予算委員会のグラッスル委員長は「まったく残念だ」と今回のイギリス貴族院の見解に驚きをあらわした。

 

「お金ではなく、責任の問題だ。今回貴族院の出した結論は、交渉のテーブルにナイフを置くようなものだ」

 

「私たち(EU側)は真剣な離婚協議をするつもりなのだ。誰がお金を払い、子供の養育費を負担し、ペットは誰が引き取るか決めようとしている。それなのにイギリス政府はまるでゴルフクラブの退会手続きか何かのつもりでいるようだ」

 

EU側の離脱交渉担当であるマイケル・バーニヤー氏は、イギリスの負担額としてすでに550億~600億ユーロにおよぶ金額を試算し、議案としてまとめている。

 

この金額にはEUに携わる公務員たちの年金や、費用の未払い分、原子力発電所の解体費用など、EU予算のイギリス負担分をカバーするもの。

 

2013年、当時のキャメロン首相がイギリス負担分として124億ポンド相当額のEUへの支払いを約束していた。

 

バーニヤー氏はこの約束を根拠に、イギリス政府が2019年から2020年にかけてEU予算を支払うべきだと主張している。

 

EUは2013年に「7年間で1兆ユーロ」という予算を策定した。

 

これはEU首脳たちの間で決定されたことで、当時のイギリス首相も参加していたもの。

 

2020年にこの予算期間が終了するため、それまでの支払いが求められている。

 

イギリス人で現在EUの機関に勤務したり、かつて勤務していた人たちの数は2,900人に上る。

 

今回の貴族院の決定は彼らにとっては自分たちの年金支給にかかわることになるため、懸案事項となる可能性がある。

 

 

 

 

www.theguardian.com