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ドイツ中央銀行取締役 「ロンドンは金融サービスの中心的役割を失う可能性あり」

 

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ドイツ中央銀行の取締役の一人であるドンブレット博士は、ロンドンが金融分野においてヨーロッパの窓口としての役割を失う可能性がある、と語った。

 

ドンブレット博士は、イギリスとほかのEU諸国とで銀行のルールが対等になったとしても「単一市場へのアクセスには程遠い」との見方を示した。

 

これはボストンコンサルティングがドイツのフランクフルトで行った会合で発言したもの。

 

「ヨーロッパへの窓口という現在のロンドンの役割は終わりを迎えるだろう」

 

ドンブレット博士は金融分野におけるイギリスとEUとの将来の関係について「対立してしまうようなアプローチ」は望ましくないと語った。

 

その一方で、EU離脱の交渉がどのように進み、大きな障害をどう乗り越えるかについては「きわめて不透明」であると懸念を示した。

 

またイギリスは今後、銀行業やその他のビジネスが投資をしやすくするために減税や金融規制緩和をおこない「ヨーロッパのシンガポール」を目指していく可能性がある、とも語った。

 

「イギリスのEU離脱保護主義に向かっている最近のトレンドに乗ったものだ。この流れは私たちすべてにとって望ましくない影響を与えると思う」

 

 

【金融都市ロンドンの大きさ】

現在、ロンドンはEUの金融サービスの拠点となっており、EUの企業、政府、年金基金などの間で行われている資金取引の三分の一がイギリスで行われている。

 

またEU圏内で行われている外国為替の80%がイギリス国内で取引されている。

 

金融業務の規模は数兆ポンドのレベルに達しており、そのうち数十億ポンドが金利、為替、インフレリスクなどの変動に対するヘッジとして取引されているのだ。

 

もし現在イギリスとEUとの間で行われている自由貿易のあり方に大きな変化があれば、イギリス国内の金融サービスの価値とそこで働く100万人にも上る雇用に大きな影響があるのは間違いない。

 

ドンブレット博士によれば、ドイツもロンドンを資金調達の拠点としているため、ドイツ企業にとっても大きな影響があるとしている。

 

EU諸国がイギリス国内で行っている大規模な取引のなかに、ユーロ建てクリアリング(通貨、利率、インフレなどの変動から企業財務を守るためにつかわれるデリバティブの一種)がある。

 

この金融商品は毎日数兆ポンド規模の取引が行われ、そのうちの4分の3はロンドンで行われている。

 

最近Ernst & Youngが発表したレポートでは、このクリアリング取引がイギリスからEU圏内へ移されてしまうと、今後7年間のうちに約83,000人の雇用がイギリスから失われてしまう、と推測されている。

 

 

 

 

www.bbc.com