初歩からわかるイギリスのEU離脱②(イギリス経済への影響、EU、リスボン条約第50条)

 

 

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国民投票後のイギリス経済はどんな感じですか?

国民投票が行われる前、当時のデヴィッド・キャメロン首相やジョージ・オズボーン蔵相などEU残留派の重要人物たちは、EU離脱が決定するとすぐにイギリス経済は危機に陥るだろうと予測していた。

住宅価格は下落し、失業率の上昇による不景気が予測され、また歳出の大幅削減のために新たな予算見通しが必要になるだろう、と言われていたのである。

国民投票の翌日にはイギリスポンドは下落し、対ドルで15%、対ユーロで10%まで下がった。

 

しかし、イギリス経済が急速に落ち込むという予測は外れ、2016年の成長率は1.8%となった。

これは主要7か国(G7)の中ではドイツの1.9%に次いで2位であった。

インフレ率は上昇し、2017年4月には2.6%と3年半ぶりの高水準となり、その一方で失業率は引き続き低下を続け、11年ぶりの低水準である4.8%になっている。

年間の住宅価格上昇率は2016年6月の9.4%から、2017年3月には4.1%まで下落しているが、依然としてインフレ率よりも高い水準を維持している。

 

 

「EU」って何ですか?

ヨーロッパ連合(The European Union、EU)は28のヨーロッパ各国が参加する経済・政治のパートナーシップである。

第二次世界大戦のあと、商取引を一緒に行っている国同士であれば戦争を防ぐことができるであろう、という考えから経済協力体制を促進するために始められた。

それ以来、基本的にEU加盟各国が一つの国であるかのように、商品や人々が自由に移動できる「単一市場」を形成してきた。

現在は統一通貨ユーロも導入され、19か国が使用している。

またEU独自の議会を設け、環境、交通運輸、消費者の権利、さらには携帯電話の課金法王まで幅広い分野にわたってルールを設定している。

 

 

「第50条」って何ですか?

「Article 50」(第50条)とは、EUからの離脱を望む国のためのプランが書かれているもの。

EU全加盟国の署名で合意し、2009年に発効した「リスボン条約」の条項である。

このリスボン条約ができる前は、EU離脱について正式な手続きは決められていなかった。

第50条はわずか5段落のみの短いもので、

・どのEU加盟国もEU離脱を決めることができる

欧州理事会に通知し、EUと離脱について交渉を行わなくてはならない

・合意に達するまでに2年間が与えられる(全員が交渉期間の延長を望む場合はこの限りではない)

・離脱する国はEU内で行われる離脱についての協議に参加することはできない

といった内容が規定されている。

 

 

イギリスがEUを離脱する日はいつですか?

イギリスがEUを離脱するためには、リスボン条約の第50条を発動することが必要で、それにより離脱の条件を交渉する今後2年間の期間がイギリスとEUの両者に与えられることになる。

テレーザ・メイ首相は2017年3月29日にこの手続きを行っているため、イギリスは2019年3月29日(金)に正式に離脱する、というスケジュールが組まれたことになる。

もしEU加盟28か国全部が合意すれば、この2年間の期間は延長が可能。

 

 

 

 

出典:Brexit: All you need to know about the UK leaving the EU - BBC News